不器用なりにがんばってみたら (ページ19)

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EP.19 ページ19

〇〇side

〈いつ帰った？〉

翔ちゃんからだ…

〈A！どうした！？いつもいるのに教室覗いたらいないし渡辺くんも探してたよ？〉
〈A、大丈夫？体調でも悪かった？〉
〈先帰るなら連絡してよービックリしたじゃん〉

次から次に友達からも連絡が入る

みんなには共通して、『用事があって早く帰らないといけなかった！ごめん！』

と伝えた

それからスタンプなどで返信は来たけど、翔ちゃんからは何も来なかった

次の日、教室に入ってきた宮舘くんに声を掛けた

『おはよー宮舘くん』

「紅乃さん、おはよう」

『昨日はありがとう』

「俺は何もしてないよ。ただ、話しかけただけ」

『でも、宮舘くんのおかげで少し気分が楽になったんだ』

「それなら良かった」

そこからチャイムが鳴るまでお互い色んな話をして、翔ちゃんの話題もなったけど引っかかるものは無かった

昼休みに入って気がついたらこれまでの翔ちゃんとのギクシャク関係も全て話してしまっていた

「翔太も変に頑固になる所があるからね」

『ごめんね、宮舘くんにこんな事話して』

「いや、最近の翔太を見てても普段間違えない所を間違えたり少し気になる所があったから」

『そうだったんだ…私も成長しないといけない所があるのにどうしても甘えて相手に迷惑かけて』

「翔太は多分、迷惑とは思ってないと思うよ」

『どうだろ』

「本当に迷惑で嫌ならそんな連絡なんて絶対しないはず」

『そっか』

「紅乃さんと翔太なら大丈夫だよ、女の子相手にあんなに笑顔を見せる翔太。俺も見ていて嬉しかったから」

『うん…』

「焦らずに紅乃さんのペースで仲直り？していってみて、きっと翔太も受け止めてくれるはずだから」

『ありがとう宮舘くん』

「頑張って」

あれから何年経ったんだっけ

あの時は想像もしていなかったけど、宮舘くんは翔ちゃんと同じグループでアイドルになっていて

私は俳優をしている

人生って本当に何があるか分からない

そんなこんな言っていると今日もマネージャーからのお迎えの連絡がやってきた

今日は翔ちゃんと同じ現場での撮影だ